本、新聞、雑誌、インターネット、その他から
9.著作物の引用について このサイト上でも新聞や本などからさまざまな引用をしておりますが、引用をする場合、著作権法ではどうように規定されているか、ここで確認しておきたいと思います。 著作権法 第32条1項には「引用」についてこのように書かれています。 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。 この「公正な慣行」とは一体どういうことなのでしょうか?なんだか難しいことばですが。 平たく言えば、社会的常識で、引用という行為が一般的に行なわれているかどうかということのようです。 では「目的上正当な範囲内で」の「正当な」というのはどういうことでしょうか? これは通常、次の3つが守られることが条件になります。 1.他人の著作物を引用する「必然性」があること 2.引用する著作物と自分の著作との区別がされていること 3.自分の著作物が「主」で引用したいものが「従」であること 1.の「必然性」とは、具体的にはどういう意味でしょうか? 自分の著作物にどうしても引用することが必要であり、引用部分も最小限、必要な部分だけであるということです。例えば、単純な演出効果として他人の著作物を引用することは「必然性」がないと見なされますので、気をつけましょう。 また、質的にみて自分の著作物が主体で、引用部分が従属の関係であり、きちんと区別されていることが重要です。引用部分に、かぎカッコをつけたり(やり方はいろいろ)、読み手に明確にわかるようにしていなければなりません。通常、量的にも自分のものより引用部分が少ないと思われますが、しかし単なる分量の問題だけでもないようです。 さらに、第48条には「出所の明示」として以下のように書かれています。 次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない。 この「次の各号」に第32条が入っておりますから、引用には 出所の明示が必要です (出所は最低限必要なのが、著作権物の題号と著作者名) まとめてみますと、 (1)公正な慣行に合致していること (2)他人の著作物を引用する必然性があること (3)明白に引用部分と自分の著作物とが区別されていること (4)自分の著作物が「主」で引用する著作物が「従」の関係であること (5)出所の明示がなされていること 以上の5項目に該当していれば「引用」であり、著作権者に許諾を得なくともよいと理解しておくことにします。 該当しているかどうか不安な場合は、著作権者に聞かれることが一番よいと思います。 2003.04.19 関連 参考サイト ・著作権・プライバシー相談室 (Q&Aコーナーで「引用」と検索すると詳しく事例が解説されていますので、ご一読を) ・CRIC(社団法人著作権情報センター) 著作権法令のデータ−ベースがあります ・iaJapan(インターネットを利用する方のルール&マナー集) ・ネットワーク上の著作権に関する新聞協会見解 |
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